満足して戻っていった。
その姿は堪らなく愛しいものだった。

漢字学習が終わり、一人ひとりワークをチェックしていた。すると、ふっと女の子が顔を出して、
「いろってどうやって書くの?」
と聞いてきた。

「"色"はこうやって書くんだよ」
とワークに書いてあげた。
それが嬉しかったみたいでルンルンで席に帰った。

こんなことが日常的に起こるのが一年生。
いつも何かわからないものがあって、いつも何かを探し求めている。

一年生にとって
わからないは宝物であり、動く原動力。

ある大人にとって
わからないは苦しいもので、逃げる理由。

あの笑顔が見られるなら何回でも教えてあげたい。