「はじき」って知っていますか。
はじきとは右図のようなものです。
「はは速さ」「じは時間」「きは距離(道のり)」を表しています。
このはじきの使い方ですが、
時速(速さ)を求めたい場合は「は」の部分をかくし、「き」を「じ」でわる
距離(道のり)を求めたい場合は「き」の部分をかくし、「は」と「じ」をかける
といった使い方です。
このはじきは教科書には載っていません。
だから、学校の先生で教えるという人もいます。
でも、教えたとしてこのはじきを忘れてしまったらどうするのでしょうか。
忘れてしまうと、もうお手上げ状態になるということでしょう。
少し話題を変えますね。次の問題を解いてみてください

①    16個のあめがあります。2人でわけると、1人あたり何個になりますか。

では、次の問題です。

②    16kmを2時間で進みました。時速何kmですか。

さて、この2つの問題の共通点はどこでしょうか。
使われている数値が一緒、式が一緒
などでしょうか。実はまだあります。
時速とは1時間あたりに進む距離(道のり)のことです。
②の問題をこのように変えてみると、みえてきますか。

②    16kmを2時間で進みました。1時間あたりに進む距離(道のり)は何kmになりますか。

そうです。求める答えが1人あたり、1時間あたりと「1あたり」を求めるという同じ構造の問題だったのです。
①は3年生で学習します。つまり、②は時速が1時間あたりに進む距離(道のり)ということさえ知っていれば、「はじき」なんかを教える必要はないのです。

はじきのデメリットは、文をしっかり把握する力が低下する恐れがあります。
文から「はは速さ」「じは時間」「きは距離(道のり)」を抜き出して、あてはめると行うことができます。文をしっかりと把握する必要がないのです。
だから、
まんたくんは毎分40mの速さで歩いていきました。
その15分後にまんたくんの姉が自転車に乗り毎分200mの速さでまんたくんを追いかけました
何分後にまんたくんに追いつきますか

といった旅人算の問題を解くことができなくなるのです。


受験対策ではじきを教えているようで、実は突貫工事に過ぎずに、また突貫工事が必要になるんですよね。これで、初めて出会う問題を考える子が育つでしょうか。

とはいっても、私自身は「はじき」は教えても良いと思っています。
子どもたちに解決するためのツールを与えても良いかなと思います。
ただ、教えるだけでなく、既習を使うと解決することができるとか、速さの意味
、理解は必須ですが。