今週、飛び込み授業をしてきました。
その協議会で、

子供たちが楽しそうに活動していましたね

というご意見をいただきました。
これには2つの秘訣があります。

1つ目が、

いわゆる自力解決のときに先生が教室を動き回っている

ということです。
ただ、単に動き回っているのではなく、

子供たちを見取り、評価し、指導をしている

のです。
評価というと、え!?と思う人もいるかもしれません。
このことは、これまでの日記にも書いてきたことですが、
評価=評定
ではありません。
評価とは、
子供たちをより成長するため
におこなうことです。
ある子には「こうしたほうがいいよ」と指示をしたり、
ある子には「その調子で!」と言ったり、
ある子には「いや〜、先生は○○だと思うけど」と言ったり
と一人ひとり違った指導をしていきます。
個別最適な学びと言われているのだから、
それを実現するためには
個別最適な見取り、評価、指導をしていかないといけません
これまでは黒板前だった先生の立ち位置が変わるということです。
単純にこれまで以上に子供と接する時間が増えます。
だから、そこに安全性がうまれるのです。
体育のときには、みなさんできているんですよね。
こういうことが。
教室に体育のような授業を取り入れる
ということがこれからの授業を考えるときには必須になってくることでしょう

2つ目が

○(正解)か×(不正解)かを言わない

ということです。
正解、不正解と言われないので、子供は安心するのです。
樋口学級の子供達に、図工のときに
「まんちゃんって、下手とか絶対言わないよね」
と言われたことがあります。
図工であれば、
子供たちのどんな作品に対して、必ず良い面のフィードバックをする
ようにしていました。
そのうえで、改善点があれば、
「今のままでも良いんだけど、○○ということにチャレンジしてみてはどう?」
「○○ということをやってみると、120点にんりそうじゃない?」
などと提案し、決定は子供に委ねます。
提案をするということが大事です。
提案という形なので、子供たちはその提案を断るときもあります。
そんなときは、「どうしてしないのよ(怒)」とは思わないようにしましょう。

このように思うようになったのは、自分が大学生のときにあった書写の先生の影響です。
ぼくは書写がとても苦手な人でした。
馬という字を書き、先生に提出をしたとき、
「樋口くんの馬は元気溢れている時だよね」
というフィードバックが返ってきたのです。
「え!?適当なこと言っていない?これまでは散々下手くそな字と言われたり、直されたりしてきたのに・・・」
と心の中で思い、何か戸惑いとともになにか心が温まっていったことを今でも覚えています。
その先生は全員にそれぞれのフィードバックをされていました。
すごいことですよね。

子供たちは間違えることが恥ずかしいのではありません。
他人に、間違えていることを知られることが恥ずかしいと感じるのです。
正確にいうと、
実際には正解、不正解とは子ども達には伝えています。
でも、正解、不正解なのかということをメインにはせずに

思考の過程をメイン

とするのです。
不正解だったとしても、思考の過程に着目して、

・良い発想しているよ
・ここまでいけてるじゃん

といったように声掛けをすることができます。
カード実践の場合は、

・どのようなカードを選択したのか
・どのようなカードを作成したのか

ということをみればいいのです。
そのうえで、

・どうしてそのカードを選択したの?
・どうしてそのカードを作成したの?
・そのカードを選択していていいね!
・違うカードもあるんじゃない?

とカードを通してのフィードバックができるのです。
こちらが選択して欲しいカードを選択できていなくても、次の時間には選択できるようになるかもしれません。
短期的ではなく、長期的にもみることができるのです。


【ここまでのカード実践アナザーストーリー】